小樽に住む友人から、久しぶりに電話がかかってきた。
私もこのところ<クラブ>の方が忙しかったので、
遠方の友人とはますます付き合いが薄くなっていた。
電話がかかってきた時も、
新規メンバー向けの<サービス案内・利用規約>を
制作中だったが、キレのいいところだったのでゆっくり話すことに決めた。
特に、用事があっての電話ではないらしい。
彼女は独身時、アパレルメーカーのストアマネージャーをしていた。
いつも、年下のスタッフのマネージメントに苦悩していたが
私達友人の中では一番独立した女だった。
彼女はドラマティックな恋愛の末結婚した。
確か彼女とは、去年の末に話した以来だ。
旦那様が出張先で浮気をしていたことが発覚。
早朝にかかってくる電話を不信に思った彼女が、
旦那様の携帯メールを見て発覚した。
今や“定番”となった<旦那様の浮気発覚ルート>に私はテンションダウン。
・・・が、まだまだ。
旦那様のSMプレイのSという新たな趣味も発覚。
これには彼女もまいったらしい。
浮気相手のメールに情事の詳細が書かれていたらしい。
彼女はそれを彼に話した。
すると、彼はトランクス一枚で土下座して
彼女と小学2年生になる子供のいない生活なんて考えられない・・・と
泣きながら謝ったという。
なんてブザマなんだろう。
翌日、信じられない事が起こった。
彼は携帯をロックした。
「また、おまえが見たらショックを受けるから」らしい。
M女とは関係を続けるという宣誓だ。
早朝の電話は続いた。
そして、仲直りを求め彼女をベッドに誘った。
彼女はそれを知りつつ、寝た。
ブザマな2人。
せめて、しばらくは拒否してよ。
・・・そうだ。
<クラブ>が忙しくなって、連絡を断っていたのではなかった。
可愛そうだけど、女として情けない彼女に呆れてしまって、
距離を置いたのだった。
仕事が忙しいからと、友人と距離を置くような私ではない!ない!
・・・よかった。
しかし、時間の経過のせいか、年末に感じていた彼女への思いも薄くなり1セット(約2時間)は話したい気分になっていた。
彼女は、最近子供も手がかからなくなってきて、
日中に時間ができるようになった。何かしようと思うが、今ひとつ面倒で、
体が重くて寝ているという。
加えて、自分は<オバサン化>してきたように思うと嘆いていた。
彼女は気づいていないようだけど、
彼女の口調はもう随分前からナマっている。
地方のそれではなく、変に語尾が伸びたりして<オバサン語>になっている。
きっと、太っているんだろうなぁと想像してしまう。
その後も、不満とあせりを感じながらも、ぐうたらしている・・・を繰り返す。
ジェニファーロペスとペネロペクルスの話もスムーズにできない。
区別がつかないからだ。
近所に出かける時のファッションは<テリー伊藤>だそうだ。
また、うんざりしてきた・・・テンションダウン。
既婚女性はこんな彼女を叱って欲しい!
あなたみたいな女性がいるから、我々は<三食昼寝付き>と言われるのだと。こんな既婚女性ばかりではないはずだ。
独身女性もこんな彼女を叱って欲しい!
あなたみたいな女性がいるから、我々は<結婚>に憧れられずに、
独身でいるのだ・・・と。
ん?
もちろん、私たちは小娘ではないのだから、
結婚=Happy!!なんて安直には考えてはいない。
でも、Happyな既婚者に結婚生活を見せつけられて、
うっとりと結婚に憧れるようなエピソードで、心が動かなければ
ゆっくりアヒル親子とアロマが効いたバスルームで
1時間も2時間も過ごせる、この<心地よい独身生活>から抜け出せない。
・・・アヒル親子は片親だ。
どんないきさつがあったのか妄想してしまう。
さて、彼女を救出するプランを立てるとしよう。